タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、ギアファン(Gearphun)と呼ばれるSTEAM(Science, Technology, Engineering, Art, Mathematics)玩具の利用を促進するためのイベントを10月26日に開催したと発表した。イベントの目的は、ギアファンを用いたSTEAM教育について、小学校教師に学んでもらうことである。またイベントでは、ThinkPlay社が提供する120セットのギアファンが15の小学校に贈呈された。
STEAM教育は、科学、技術、工学、芸術、数学を組み合わせた学際的な教育アプローチである。STEAM教育は、イノベーションを促す批判的思考や問題解決力を育むため、国の発展に不可欠である。
NSTDAのエグゼクティブ・バイスプレジデントであるチュララット・タンプラサート(Chularat Tanprasert)博士は、「科学、技術、イノベーションの知識を活用してSTEAM教育に利用できるツールや玩具を設計することは、NSTDAの使命の一つです」と話す。
NSTDAは、製品を市場に投入し、学習プロセスを促進させ、イノベーションが社会と経済に真の影響を与えるよう努めている。また、幼稚園から高校までのSTEAM教育を促進するため、学生や教師向けのサイエンスキャンプなど、さまざまな活動を行っている。
(提供:いずれもNSTDA)
チュララット博士は、「NSTDAは教育ツールの分野で、長年にわたって、複数の賞を受賞しています」と指摘する。実際、NSTDAが開発したXvolutionボードゲームは2015年、英国ALPSP(Association of Learned and Professional Society Publishers、学協会出版者協会) 賞の最終候補の一つになったほか、スマートフォンやタブレットを個人用顕微鏡に変えるための着脱式レンズ(MuEye)は2019年、タイの科学技術人材育成プロジェクト(Development and Promotion of Science and Technology Talents Project)からイノベーション賞を受賞した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部