2022年12月
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持続可能な建築遺産管理推進へ、建築環境保全ラボを開設 シンガポール国立大学

シンガポール国立大学(NUS) は11月14日、同大学デザイン工学部建築学科(NUS CDE)が東南アジア初となる建築遺産の保存修復についての教育や研究を行う建築環境保全ラボラトリー(ArClab)を開所したことを発表した。

ArClabは2022年1月に次の4つの主要目的を達成するために設立された。

  1. ① 建築遺産保全に関する同国建築業界のトレーニング能力強化
  2. ② 保全強化に向けた革新的な技術利用開発
  3. ③ 広範な保全問題に関する研究
  4. ④ 歴史的建造物の気候変動への耐性とネットゼロ改修の促進

ArClabはブレアプレイン保全地域にある歴史的なタウンハウス、141 Neil Roadに設置された。NUSの大学院生は、伝統的な建築材料や職人技、修復工事における革新的な技術活用、エネルギー効率や快適性、歴史的建造物のネットゼロ改修などの分野を学び、研究することができる。また、歴史的建造物やその修復作業に対する理解と評価を高めるために一般に向けた内部公開も行う予定で、特別企画展やガイドツアーも計画されている。

NUS建築学科長でアジアの建築遺産の保存と管理に関するユネスコチェアも務めるホー・プアイ・ペン (Ho Puay Peng)教授は次のように話した。

「ArClabは、デジタル保存技術、材料科学、建築美学、環境持続性の分野を横断する最先端の学際的研究とのコラボレーションを可能にする場です。NUSの学生や研究者、業界の専門家、一般市民にとってユニークなリソースとして機能するでしょう」と述べている。開所式に主賓として出席した同国の国家開発・社会サービス統合相であるデズモンド・リー(Desmond Lee)氏は「ArClabが学習や研究の機会を提供するだけでなく、シンガポールの建築・文化遺産の未来についての議論を始めるきっかけになってほしいと願っています。一般の方々に建築遺産への理解を深めていただき、この分野の将来のリーダーを育てていきたいです」

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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