2023年01月
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GSKなど製薬大手と提携、バイオ医薬品とワクチン製造でイノベーション促進 シンガポール

シンガポール科学技術研究庁(A*STAR) は、製薬大手のグラクソ・スミスクライン(GSK)、サノフィ(Sanofi) 、武田薬品工業の3社が、バイオ医薬品とワクチン製造におけるイノベーションに向けて、A*STARなどの研究コミュニティと提携したことを発表した。2022年12月6日付け。

このほか、シンガポール側から提携に参加したのは、シンガポール国立大学(NUS)▽南洋理工大学(NTU)▽NTUのイノベーション・エンタープライズ企業エヌティーユーティブ(NTUitive)社▽シンガポール工科大学(SIT) だ。

今回のパートナーシップは、A*STARがシンガポール経済開発庁(EDB) の支援を受けて主導するコンソーシアムで、バイオ製薬企業・イノベーション・プログラム・シンガポール(BioPIPS) として正式に実施される。BioPIPSは組み換え治療用タンパク質やワクチンなどのバイオ医薬品の製造能力を高めるために、業界をリードする専門家と、シンガポールの研究エコシステムを結集し、新製品や新製造技術の導入に適したシンガポールの地位を確立することを目的としている。

A*STARの科学技術研究評議会副主席のリム・ケン・ホイ(Lim Keng Hui) 教授は「リサーチ、イノベーション、企業2025年計画では、バイオ医薬品の製造を優先分野としています」と指摘し、その中で「A*STARはBioPIPSを通じて研究開発能力を提供し、バイオ製造業界がより機敏に新製品や新技術から恩恵を受けられるようにすることを目指しています」と表明。EDBの副総裁であるタン・コン・ウィー(Tan Kong Hwee) 氏は「企業とのパートナーシップを深め、世界のバイオ医薬品製造ハブとして、シンガポールの地位を強化することを期待しています」と語った。

これに対して、GSKのサイトディレクターである Chan Siong Wan(チャン・ソン・ワン)氏は「共通の課題に協力して取り組むことで、多様なスキルと能力を活用して、シンガポールで持続可能な製造環境を作り出すことができます。プロセスを監視および制御し、製造業務を自動化する新しい方法を開発することを楽しみにしています」と述べた。

また、タケダ・マニュファクチャリング・シンガポール工場長のジョージ・ラム(George Lam) 氏は「BioPIPSの目的は2035年までに事業活動におけるカーボンゼロを実現するという武田薬品工業の目標に合致しています。革新的な医薬品の開発・製造における新しい持続可能な方法を見出し、患者さん、ともに働く仲間、命を育む地球に対する当社の約束を実現することを楽しみにしています」と期待を寄せた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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