シンガポール国立大学(NUS)は同大学が、シンガポール食糧庁(SFA)、テマセク生命科学研究所(TLL) 、さらに7社の産業界のパートナーと、持続可能な熱帯水産養殖のソリューションを開発するアクアポリスプログラムの了解覚書(MoU)に調印したことを明らかにした。
このプログラムは、シンガポール・フードストーリーR&Dプログラム2.0の一環であり、同国を持続可能な熱帯水産養殖のための主要な研究・革新クラスターにすることを目的としている。国内外の養殖研究者と産業界のパートナーが集まり、革新的で持続可能性のあるソリューションの開発や、業界の人材育成を行うものだ。
NUS副学長のチェン・ツハン(Chen Tsuhan)教授は、「SFAやTLLと緊密に協力し、熱帯水産養殖における課題に対処するための革新的な研究ソリューションを共同開発することを楽しみにしている」と表明。SFA最高経営責任者のリムコック・タイ(Lim Kok Thai) 氏は、「私たちの養殖産業は食糧安全保障において重要な役割を担っており、こうした集団的な取り組みが食糧安全保障を強化し、シンガポールの弾力的な食糧の未来を築くことになると確信している」と述べた。
また、TLL最高経営責任者のピーター・チア(Peter Chia)氏は、「本プログラムは、世界的な気候変動や人口増加に対応するために水性食物システムを食持続可能で弾力性のあるものに変えるというビジョンを持っている。研究をベースとしたイノベーションで、我が国の全ての消費者に利益をもたらすだろう」とし、取り組みの意義を強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部