インドネシアの教育文化研究技術省(MOECRT) 高等教育研究技術総局(DGHERT) とシンガポールの南洋理工大学(NTU) は、気候変動と持続可能性に関する課題解決を目指す共同研究機関「インドネシア・NTUシンガポール持続可能性・イノベーション研究所 (INSPIRASI)」設立に向けた協定書(MOA)に調印したことを発表した。2023年半ばから開始する予定。
MOECRT高等教育研究技術局長 のニザム(Nizam)氏(右から2人目)ら
2022年12月14日に行われた調印式は、MOECRT高等教育・研究・技術局長 のニザム(Nizam)氏、NTU上級副学長(研究)のラム・キンヨン (Lam Khin Yong)氏、インドネシア教育基金(LPDP) 研究部長のウィスヌ・サルジョノ・ソエナルソ (Wisnu Sardjono Soenarso)氏らが参加した。
ガジャマダ大学(UGM)、インドネシア大学(UI)、バンドン工科大学(ITB)、セプルーノペンバー工科大学(ITS) というインドネシアのトップ大学4校がNTUとともに設立パートナーとして選ばれている。世界初の取り組みとなるこの共同研究施設は、インドネシアにおける世界レベルの研究および修士課程や博士課程学生向け研究型教育の拠点となり、両国内の全ての大学、研究機関、産業界を横断する連携のきっかけとなることが期待されている。
INSPIRASIが研究の柱とするのは、インドネシアで重要視されている再生可能エネルギー、循環型経済、スマートシティの3分野だ。LPDPの資金提供により5年間実施される第一期では、再生可能エネルギーリビングラボとエコキャンパスの2つのプロジェクトを実施予定。
インドネシアのナディエム・アンワル・マカリム (Nadiem Anwar Makarim)教育・文化・研究・技術相は「インドネシアとシンガポールが地球規模の課題に対する解決策を見出すために協力するという強いコミットメントを共有していることをうれしく思う」と表明。NTUの学長代行兼副学長のリン・サン (Ling San)教授は「INSPIRASIは、NTUとインドネシアの政府や大学との長期的なパートナーシップを示すものだ。これを通じて、大学生と大学院生を対象としたパートナーとの深い交流を期待している」と述べた。
調印式の様子
(提供:いずれもNTU)
2022年12月15日付け発表
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部