2023年02月
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コメの収量を正確に予測するためのシステム開発 フィリピン

フィリピンのルソン島にあるフィリピン科学技術省中部ルソン(DOST-3)は、コメの収量を正確に予測するためのシステムを開発していると発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が1月12日付で伝えた。

(PNA file photo by Oliver Marquez)
(提供:PNA)

ルソン中部にあるタルラック農業大学(TAU)のエイミー・リズベス・リコ(Amy Lizbeth Rico)教授は、コメの収量予測を行う意義について「政府は、食料の生産、流通、消費を効果的に計画し、食料不安と闘い、食料不足や供給ショックに備えることができる」と説明した。

リコ教授は、DOST-3の地域助成金プログラム(RGIA)の支援を受けて、衛星画像による作物モニタリングと予測システム(SICAT)プロジェクトのプロジェクトリーダーを務める。リコ教授によると、フィリピンでは現在、気候変動と急速な人口増加が食料需要と生産の大きな圧力となっており、地域ごとの収穫を把握し、コメの収量全体を正確に予測することが重要になっているという。

TAUが開発を進める稲作支援システム(Project SICAT)を通して、コメの収量予測が行われ、その予測状況に応じて、必要な対策が出される。本プロジェクトは2023年10月までに完了する予定。

リコ教授は、プロジェクトの進捗状況と今後の予定について、次のように述べた。

「プロジェクトの研究者は現在、衛星画像でイネの成長を検証し、イネの成長と収量の季節的特徴とアルゴリズムの開発を行っている。今後、再現性が高く、正しい予測が行えるよう、地上データを用いてシステムの検証を行う予定だ。また、技術の円滑な利用を確実にするため、タルラック地域の農民グループや農業技術者を対象にして、Project SICATの普及を進めている」

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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