2023年03月
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先史時代の海面上昇―東南アジアの先住民の移住を促進 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学 (NTU) の学際的な科学者チームは、先史時代の急速な海面上昇が東南アジアの初期の人々の移住を促し、現在のこの地域の人類の遺伝的多様性を増加させたこと発見した。2月7日付け発表。

南アジアや東南アジアの古地理図
(提供:NTU)

東南アジアのマレー半島、スマトラ島、ボルネオ島、ジャワ島は約2万6000年前には、スンダランド(Sundaland)と呼ばれる南アジア大陸棚の大陸塊に属していた。しかし、最終氷期最盛期 (約2万6000〜2万年前) から完新世中期 (約6000年前) までの大規模な温暖化の時期に、海面が130メートル上昇し、スンダランドの半分が浸水または冠水し、陸橋は分断され、現在の小さな島々に分断されることになった。

NTUの科学者チームは、この劇的な海面上昇の際にスンダランドの先住民が受けた影響を理解するために、古地理学と集団遺伝学の2つのアプローチで歴史を再構築した。その結果、陸地面積の減少や島々への分裂により特に東南アジアの島々で人口過剰となり、マレーシアの先住民は東南アジア本土や南アジアへ北上を余儀なくされたことを発見した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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