シンガポールの南洋理工大学(NTU)は3月28日、1週間の中国公式訪問の一環として、同国のリー・シェンロン首相が中国・シンガポール国際共同研究院(CSIJRI)を訪問したことを発表した。
© 華南理工大学(SCUT)
CSIJRIは2017年に、NTUと中国の華南理工大学(SCUT)、中国ーシンガポール広州ナレッジシティーが広州市に設立した共同研究機関だ。高品質の研究開発、イノベーション、人財育成を行っており、先進的で成熟した国際的な技術や製品への応用を加速させることを目的としている。生命と健康、人工知能、新エネルギー、新素材、公害防止と環境修復、グリーンビルディングとスマートシティの6つの研究プラットフォームが焦点を当てている分野だ。
リー首相は、NTU副学長(産業)兼CSIJRI運営評議会議長のラム・キンヨン(Lam Khin Yong)教授、SCUT学長のチャン・リクン(Zhang Liqun)教授、SCUT副学長兼CSIJRI学長のシュ・ミン(Zhu Min)教授らと研究機関を視察し、研究者と会談した。
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(出典:いずれもNTU)
ラム教授は「CSIJRIは、両国の技術協力のための主要な研究機関の一つとして、研究の翻訳、イノベーション、インキュベーション、商業化を統合した世界クラスの機関です。効果的なトランスレーショナルリサーチと商業化を目的として、研究者と産業界のリーダーを結びつけます。CSIJRIは、両国の研究と才能の国際化をさらに促進します」と述べた。
チャン教授は「SCUTとNTUは、技術や人材の交流と協力を引き続き強化していきます。SCUTは、地域のイノベーションや卒業生、企業といったリソースを十分に活用し、NTUとの交流と協力の新しいチャンネルを拡大します。CSIJRIは、両大学間の科学技術イノベーションを促進し、広東・香港・マカオのグレーターベイエリアにおける才能とイノベーションの構築に貢献します。これらは、中国とシンガポールの協力関係の継続的な深化に重要です」と取り組みの意義を語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部