シンガポール国立大学(NUS)は4月20日、シンガポール通貨庁(MAS)の支援を受けて、サステナブル&グリーンファイナンス・インスティテュート(SGFIN)を公式に発足したことを発表した。
SGFINはグリーンファイナンスとサステナビリティの分野で研究と能力開発を行う研究所だ。リーダーシップを発揮して、経済と金融における持続可能性の実現と政策決定に取り組む。特に注力するのは、教育、データ主導の持続可能な金融の研究、インパクト測定、アウトリーチの4分野となる。
さらに今回、NUSビジネススクールと共同で、アジア初となるサステナビリティとグリーンファイナンスに特化した修士課程プログラムである「マスター・オブ・サイエンス・イン・サステナブル&グリーンファイナンス(MSc)」を提供する。経験的な学習や金融・企業セクターへの関わりを通じて学生が投資やビジネスの意思決定に与える影響を強化することを目指している。SGFINはMScを目指す2023年8月の入学生のうち、最大4名に対し奨学金を授与する。この枠は今後拡張される予定だ。
NUSのタン・エン・チェ(Tan Eng Chye)学長は、「SGFINはシンガポールがグリーンファイナンスの分野における強力な教育の場となり、世界の金融ハブとしての我が国の地位を強化する上で重要な役割を果たすでしょう」と設立への思いを語った。
SGFINのオープニングイベントにはシンガポールのローレンス・ウォン(Lawrence Wong)副首相兼財務相が参加した。オープニング活動の一環として、SGFINは世界各国から参加者が集まる第1回SGFINサステナビリティに関する研究会議を開催する。過去にはNUSの学部生及び大学院生向けの第1回サステナブル・ファイナンス・ケース・コンペティションも開催している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部