フィリピン科学技術省(DOST)は、フィリピン工科大学(TIP)、フィリピンのザンバレスにあるスービックウォーター(SUBIC WATER)社と提携を結び、同社にて水質汚染を解消するための植物による環境修復(ファイトレメディエーション)処理を開始した。国営フィリピン通信社(PNA)が4月17日に伝えた。
(出典:PNA)
3団体が提携したのは、水源から油分を除去するファイトレメディエーション技術の開発についてだ。この共同プロジェクトは、DOSTの研究開発機関と産業界のための国内経済を活用した共同研究開発(CRADLE)プログラムを通じて行われた。
DOSTのリア・ブエンディア(Leah Buendia)次官は「このプロジェクトにはDOSTから460万ペソが、さらにTIPとスービックウォーター社からはそれぞれ250万ペソと120万ペソが割り当てられています。ファイトレメディエーションにはベチバー、ヨシ、カンナなどの植物が使われており、処理時に、排水に渦を作ることで曝気し、汚染ガスを減少させるボルテックス技術も使用しています」と述べた。この技術が他の地域で展開されるかどうかは、スービックウォーター社が他の現場でこの技術を使用するかどうかにかかっているという。
「この画期的な廃水処理施設により、産業界の運営コスト削減が期待できます。最終的には、水質の改善と、特にスービック地区における水生生態系の保護につながるでしょう」とブエンディア次官は語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部