2023年05月
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デュアルユース技術の開発強化で了解覚書を締結 タイ

タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)は4月21日、タイの貿易産業省(DTI)との連携で了解覚書(MoU)に調印し、軍民両用(デュアルユース)技術の開発・活用を強化することを発表した。

(出典:NSTDA)

MoUは、NSTDA総裁のスキット・リムピジュムノン(Sukit Limpijumnong)教授とDTI長官のチョーチャート・ブアカーオ(Choochart Buakhao)将軍によって署名された。この協力関係のもと、両者はデュアルユース技術の開発・活用に重点を置くことになる。政府は防衛産業をタイの新S字型産業(タイにおいてシグモイド曲線を描くように発展、成熟する新たな育成産業)にすることを目指しており、タイの高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)ではデュアルユース技術の研究開発を強化することが課題となっている。

DTIのチョーチャート将軍は、「DTIとNSTDAは、技術革新、人材育成、知識の共有、研究の実践を支援する活動を行うために、それぞれの人材と資源を提供します」と述べた。

NSTDAのスキット教授は、「MHESIのメンバーとして、NSTDAは社会と経済の発展を支援するための技術とイノベーションの開発に取り組んでいます」と表明。同教授によると、NSTDAは、国立電子コンピューター技術研究センター(NECTEC)、国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC)、国立金属材料技術研究センター(MTEC)、国立ナノテクノロジー研究センター(NANOTEC)、国立エネルギー技術センター(ENTEC)の5つの国立研究センターに加えて、対象産業を推進するためのイノベーションを生み出すためのフォーカスセンターも設立した。その中で国家安全保障・デュアルユース技術センター(NSD)は、軍事利用や民生利用が可能な技術の開発を推進することを使命としている。

このプロジェクトは、タイ国家科学研究イノベーション事務局(TSRI)からの資金援助を受けており、防衛技術の革新と活用のためのエコシステム構築に向けた政策と戦略の設計を進めていくという。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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