フィリピン科学技術省(DOST)傘下のフィリピン繊維研究所(PTRI)が、同国のパンガシナン州マンガタレムでカイコの繭(まゆ)の生産ハブ設立を目指すラグパン・アップランド・ファミング協会の支援をしている。国営フィリピン通信社(PNA)が5月22日に伝えた。
(Photo courtesy of PTRI)
(出典:PNA)
ラグパンアップランド・ファミング・アソシエーションからPTRIに連絡したことがこの支援実施のきっかけになった。繭の生産ハブ設立に向けて、協会のメンバーは繭の生産者となり、カイコの飼育を行う。生産した繭はタギッグ市に持ち込むことで絹糸に変えることができ、アクラン州の織物職人や、ファッション、ウェアラブル、アクセサリーなど産業分野で絹糸の需要があるという。
PTRIの担当官であるジュリアス・レアニョ(Julius LeaÑo)氏は「今回のようなコミュニティ・プロジェクトを成功させるためには、人々の強い関心が必要になります。私たちは試験飼育のためのカイコの卵、桑の挿し木、土壌評価、そしてカイコの飼育小屋の設計で協力することができます」と述べた。
同じくPTRIのシルク・リサーチ・アンド・イノベーション・センター・ミサミス・オリエンタルのシェリル・ロペス(Cheryl Lopez)氏は「1ヘクタールの面積に植えた桑の木で、最大20人のメンバーに副収入をもたらすことができます。カイコの飼育と繭の販売で16,000〜20,000ペソを稼ぐことができるでしょう」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部