フィリピン繊維研究所(PTRI)は、2024年までに現在フィリピン国内に3つある竹テキスタイル繊維イノベーションハブ(BTFIH)をさらに3つ設立することを発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が5月19日に伝えた。
竹テキスタイル繊維イノベーションハブのメンバーら
(Photo courtesy of PTRI)
(出典:PNA)
PTRIのジュリアス・レアニョ(Julius Leaño)担当官は「2023年にアブラ州ラガンギランに1つ、2024年にブキドノン州マラマグとパンガシナン州のいずれかの町に1つずつBTFIHを設置します。竹は繊維の回収率が最低でも35%ほどで、繊維回収率が2%ほどである他の繊維源と比べても高い回収率となっています。竹は国内に豊富にあり、丈夫で持続可能な繊維源となります」と語っている。
BTFIHが設立されたコミュニティでは、竹を竹テキスタイル繊維(BTF)に加工することができ、作られた繊維は衣料品や家庭用繊維、靴やバッグ、防音材としても利用可能だ。レアニョ氏は「この技術はシンプルで導入しやすく、拡大しやすいものです。大規模化する場合、現地で機械を制作することもできます。竹が1kgあたり約10ペソであるのに対し、BTFは1kgあたり約250ペソになります。BTFIHは多くの材料の加工と付加価値付けを可能にします」と意義を語った。
BTFIHは、フィリピン農水産業天然資源研究開発審議会のプロジェクトである「竹テキスタイル材料生産・処理技術の現地検証」からも資金提供を受けている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部