2023年06月
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飲食業界のロボティクス化・オートメーション化を目指す官民共同プロジェクト開始 シンガポール

シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は6月1日、飲食業を中心としたロボティクス化とオートメーション化を行う中小企業のロス・デジタル(ROSS Digital)社と共に、飲食(F&B)業界のロボットプラットフォームのイノベーションを促進する共同研究とイノベーションプログラムを開始することを発表した。

このプログラムでは、ロス・デジタル社とA*STARの再製造技術開発センター(ARTC)が連携し、F&B分野の知識、人工知能(AI)、ロボット工学、自動化を統合したソリューションを創出する予定だ。反復作業など負担のかかる作業を減らすだけでなく、F&B業従事者がより価値の高い仕事に携われるようにすることを目標としている。

ロス・デジタル社とA*STARのARTCは、合わせて350万シンガポールドルを投資し、レストランの厨房のような動的で制約のある環境において、ロボットがセルフナビゲーションやセルフキャリブレーションを行えるようにし、さらに飲食分野のロボット作業を支援するモジュール式ビジョンプラットフォームの開発にも焦点を当てる。また、デジタルツインプラットフォームを使用して、飲食店向けロボットシステムの遠隔監視やプロセスの最適化についてのリアルタイム分析を提供する。新しいロボットシステムの展開を加速させるとともに、システムの停止期間を削減する予定だ。

ロス・デジタルのCEO兼創業者であるギャビン・パトロス(Gavin Pathross)氏は、「今回の取り組みでは、両者がお互いの強みを活かした研究を実施します。シンガポールをF&Bロボティクスとオートメーションの主要なハブとして推進し、F&B業従事者の生産性を高め、人手不足と運用コストの上昇に対処する一助になると考えています」と取り組みの意義を語った。

ARTCのCEOであるデビット・ロー(David Low)氏は「ARTCは、ロス・デジタル社のような地元企業と協力し、先進技術の共同開発や産業ソリューションの共同革新に取り組み、国内外での新たな成長機会を獲得しています。このような官民パートナーシップは、ファーストムービングF&B業界やそれ以外の業界において、問題に対処し、生産性と効率を向上させるために重要です」と述べた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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