フィリピン工科大学(TIP)は先進電池センターの成果物の1つとしてバッテリーエネルギー貯蔵システム(BESS)の開発を目指していることを発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が6月5日付で伝えた。
(出典:PNA)
TIPの先進電池センターは、フィリピン科学技術省(DOST)から1億4000万フィリピンペソ以上の資金提供を受けたニッチ研究開発(R&D)センターだ。DOST事務次官のリア・ブエンディア(Leah Buendia)氏は「このセンターの目的の1つは国のエネルギー転換に備えるための新技術の研究です。電池は化石燃料に代わるエネルギー源のひとつです。R&Dセンターに資金を提供したのは、電気自動車(EV)用のバッテリーを製造するための原材料の使用や、再生可能エネルギーの大量生産において、国が競争力を持つことを狙っています」と語った。
TIPインダストリー・リレーション担当のテレーズ・アレハンドリノ(Therese Alejandrino)氏は「TIPのBESSプロジェクトは、先進電池センターの成果物の1つとなる予定です。バッテリーの精度、信頼性、効率が確認されれば、パートナーとともに大規模な蓄電システムの開発に進むことになります」とBESSプロジェクトについて述べている。現在フィリピンで稼働しているすべてのBESSは輸入したバッテリーを使用している。
「一般的にこれらの電池はリチウム電池で、リサイクル性に問題があります。TIPは現在、国内で入手可能な別のタイプの電池の強化に注力しています。近い将来、BESSを国内で製造、修理できるようになるかもしれません」と関係者。
TIPのウェブサイトによると、BESSプロジェクトの研究は非公開の場所でパイロットスタディが始まっているとのことだ。確認試験の後、容易に入手可能な材料と技術を用いた持続可能なエネルギー貯蔵に関する知見を取得し、さらに研究が加速される見込みだとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部