2023年08月
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研究インテグリティの育成を目指すセミナーを開催 タイ

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、タイ国家研究評議会(NRCT)と共同で研究のインテグリティに関するセミナーを開催したことを公表した。7月17日付け。

7月14日に開催されたこのセミナーには、大学や研究機関のリーダーが出席し、研究倫理管理に関する実践を交換し、タイにおける研究インテグリティを強化するための方策について議論した。NSTDA総裁のスキット・リムピジュムノン(Sukit Limpijumnong)教授は、世界中の学術研究機関から大きな注目を集めているインテグリティの重要な役割を強調した。NSTDAは研究倫理室を設置し、NSTDAで実施されるすべての研究が倫理的慣行と関連法規を順守するよう、研究倫理の包括的な管理システムを導入した。初期段階では、NSTDAはタイ研究インテグリティネットワーク(TH-RIN)の運営を支援し、その後、この責任を研究倫理に関する法的機関であるNRCTおよび国家高等教育科学研究イノベーション政策評議会事務局(NXPO)に移管した。

(出典:いずれもNSTDA)

NRCT常務理事のウィパラット・デオン(Wiparat De-ong)博士は、NRCTとTH-RINの役割について発表し、NRCTが研究倫理とインテグリティを推進するために行っているイニシアティブを紹介した。これらの取り組みには、研究倫理に関するガイドラインの作成、研究発表のためのマニュアル、研究者向けのワークショップ、研究倫理に関するオンラインコースの設計などが含まれる。NRCTは現在、研究倫理に関わる専門家や関係者のネットワークを構築中である。

セミナーでは、タイに適応された研究倫理の原則に関する草案のプレゼンテーションも行われた。科学技術倫理国家委員会委員長のヨンユット・ユタボン(Yongyuth Yuthavong)博士により、タイに適応された研究倫理の草案が発表された。ヨンユット氏は、TH-RINのメンバー、研究者、研究倫理の分野で働く人々に、研究倫理の原則についての草案に対して意見や提案を提供するよう呼びかけた。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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