シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究者を中心とする国際研究チームが、気候変動が世界中のコミュニティに与える影響を測定し、文化の喪失を抑制するためのプロジェクトの初期成果を発表した。7月21日付け。
(出典:NTU)
シンガポール教育省(MOE)学術研究基金の支援を受け、NTUが主導するこのプロジェクトは、「気候危機と文化の喪失(3CL)」と題され、東南アジア諸国を対象としており、ノルウェー科学技術大学、米国のアリゾナ州立大学、イタリアのISIAウルビーノ、フランス領ポリネシア大学の協力を得ている。
この共同プロジェクトから得られた知見の1つとして、チームは、ニュージーランドのマオリ族のような先住民の慣習を認め、その国の法律に含めるという慣習に注目した。例えば、フランス領ポリネシアのマオリ文化に見られるラーフイとは、コミュニティ全体のために再生を促進するために、ある空間への立ち入りを禁止したり、天然資源の採取を禁止したりする伝統的な自然保護の慣習だ。
この研究はまた、科学、人文科学、法学を展示、データビジュアライゼーション、映画、写真と組み合わせたアプローチで、気候変動による文化的損失から世界中のコミュニティを守る方法を議論することも目的としている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部