2023年08月
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3Dプリンターによる材料試験と大気データ追跡のため、新たに3基の衛星を打ち上げ シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、研究者らが製作した3基の人工衛星の軌道打ち上げに成功したことを発表した。7月31日付け。

(出典:NTU)

今回の打ち上げも含めてNTUの衛星打ち上げ総数は13基となった。今回打ち上げたSCOOB-II、VELOX-AM、ARCADEの3つの衛星は、3Dプリンターで製作した部品の宇宙での試験、大気データの測定、新しい宇宙材料の評価などの軌道実験を行うために使用される。中には、学生が製作した衛星もあり、NTUの衛星工学と宇宙エンジニアの育成における優れた能力を実証する機会となった。

SCOOB-IIは、NTUの学生衛星シリーズの2番目の衛星で、工学部が実習において製作した。重量が4.1kg、靴箱程度の大きさで、宇宙での高度な電子機器試験運用を実証するペイロードを搭載している。

VELOX-AMは、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)との共同プロジェクトで、複雑な衛星コンポーネントの製造に3Dプリント部品を効果的に使用する方法を初めてテストすることを目的としている。

ARCADEは、大気結合研究のためのデータ測定を目的としている。この衛星には、イメージャーを2つとプラズマ・プローブ、原子状酸素観測装置の4つの観測装置が搭載されている。また、新開発のフレキシブルなペロブスカイト太陽電池も搭載しており、低軌道での性能を検証する実験に使用され、湾曲して転がせ、回転するパネルへの応用が期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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