2023年08月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2023年08月

森林産品研究所が国内唯一の火災試験ラボを再開 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)は7月28日、DOSTの森林産品研究所(FPRDI)が停止していた国内唯一の火災試験ラボを再開したことを発表した。

フィリピンでは、火災により毎年数百人の人命が失われ、数十億ペソ相当の財産が消失している。DOST-FPRDIは1961年にフィリピンにおける火災試験研究のパイオニアとなるラボを設置し、長年にわたり建設業界に試験サービスを提供していた。近年は、ラボの旧式の試験機では対応が難しくなり、サービスを停止していたが、火災事故を減らすことを目的に国内唯一の火災試験ラボを再開することになった。

DOST-FPRDI所長のロムロ・T・アガンガン(Romulo T. Aggangan)氏は「再開するラボはまだ発展途上で、現在は小さな木材サンプルの着火性と燃焼性を検証するための基本的な機器しかありませんが、いいスタートになったと思っています。このラボが地元の建設業界関係者により手頃な価格で利用しやすいサービスを提供できるようになると考えています」と語った。

DOST-FPRDIのシャーリー・A・ペラヨ(Shirley A. Pelayo)氏は、「新しく取得・設計された機器により、効果的な火災試験サービスを提供できるようになりました。また、資金調達パートナーに、より近代的な設備導入に関する提案書も提出しています。近い将来、ラボがアップグレードされ、サービス提供を受けた建設業界関係者が基本的な火災安全規則を守り、より多くの生命と財産を守ることができるようになると考えています」とラボへの期待を表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る