シンガポールの南洋理工大学(NTU)は8月14日、NTUの研究者らが、コンピューターが情報に素早くアクセスできるようにする高速メモリチップの代替材料の開発において重要な進歩を遂げたと発表した。研究成果は学術誌Natureに掲載された。
NTUのWang Naizhou 博士 (左) と Gao Weibo 准教授。
ワン博士は研究論文の筆頭著者。ガオ准教授が研究の科学者チームを率いた
(出典:NTU)
研究者らは従来のシリコン製チップとは異なる、反強磁性体を材料とする方法を開発した。これまで反強磁性体に保存したデータの読み取りは困難であったが、簡単に読み取る方法を新たに発見した。これは、材料がどのような状態で構成されているかを把握することによって行う、過去にはなかった実用的な方法だ。
研究者らは、反強磁性体は従来のシリコン製チップよりもエネルギー効率が高い可能性があるため、コンピューターメモリやランダムアクセスメモリー(RAM)用チップの材料として魅力的だと述べた。また、反強磁性チップは、ある種の磁性材料で作られたチップよりも素早くデータを保存・変更できるため、リソースを大量に消費するコンピューティングタスクに有用であると期待される。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部