フィリピン科学技術省(DOST)は9月5日、コロンビアのバイオバーシティ・インターナショナルと国際熱帯農業センター(CIAT)からなるアライアンスと了解覚書(MoU)を締結し、フィリピンにおける農業課題に対して科学、技術、イノベーションに関するパートナーシップを強化したことを発表した。
了解覚書(MoU)に調印するDOSTと国際熱帯農業センター(CIAT)の関係者
気候変動、食料安全保障、栄養不良、生物多様性の損失といった危機への対処において、DOSTの農業や食糧システムに関する優先課題と、アライアンスの研究課題を関連付け、取り組みを加速させる予定だ。今後、DOSTとアライアンスは、共同研究開発、能力開発活動、研究調査のための専門家や科学者の交流、共同会議、シンポジウム、ワークショップの開催などを通じて、共同でイニシアチブを取ることが期待されている。MoUにより、2023年から両者のパートナーシップが正式なものとなる。
アライアンスは、直接播種と炭素隔離のためのイネに関する研究がどのように試験・分析されているかをDOST に示していく
(出典:いずれもDOST)
フィリピンのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、コロンビアのパルミラにあるバイオバーシティ・インターナショナルとCIATのアライアンスを2日間訪問し、各分野のリーダーと会談を行った。「私たちが望むのは、人々と環境のためのより良い未来です。今回のパートナーシップを通し、SDGsの第2目標である『飢餓をなくし、食料安全保障と栄養改善を達成し、持続可能な農業を促進する』に大きく貢献することを考えています」とソリダム氏は語った。
アライアンスのアジア担当マネージング・ディレクターであるステファン・ヴァイセ(Stephan Weise)氏は「DOSTとのパートナーシップを通じて、農業開発と食糧・栄養安全保障に関するフィリピンの国家アジェンダに貢献できることを誇りに思います」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部