2023年10月
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地元で分離された微生物を利用、女性向けプロバイオティクス・サプリメント開発 タイ

タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)は9月5日、ウィノナ・フェミニン(Winona Feminine Company Limited)社と国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC)が、国際基準を満たした女性専用のプロバイオティクス・サプリメント「ウィノナ・プロビオ」を開発したことを発表した。

世間の健康意識の高まりを受け、プロバイオティクス市場は大規模な成長が期待されている。この機会にNSTDAの競争力プログラム管理ユニット(PMUC)とウィノナ・フェミニン社からの資金提供を受け、ウィノナ・フェミニン社とBIOTECはプロバイオティクス・サプリメントを開発する共同プロジェクトを実施した。

ウィノナ・フェミニン社は、タイのシーナカリンウィロート大学プロバイオティクス・エクセレンス・センターからウィノナ・プロビオに関するライセンス供与を受けた。これにはラクトバチルス・パラカゼイとビフィドバクテリウム・アニマリスという現地で分離された2種のプロバイオティクス菌株が含まれている。この製品は生きた細胞を高濃度に含んでおり、タイ食品医薬品局に食品サプリメントとして登録されている。大学の研究によるとこの2種類の微生物は肝臓や腸の炎症を抑え、コレステロールを低下させ、病原菌を抑制し、抗酸化活性を高め、免疫系を強化し、腸の恒常性を維持するなど、複数の健康効果があるという。また、この製品は適切な量であれば副作用はない。

(出典:いずれもNSTDA)

BIOTEC機能性成分・食品イノベーション研究グループディレクターのコブクル・ラオテン(Kobkul Laoteng)博士は、ウィノナ・プロビオの製造はBIOTECバイオプロセス施設(BBF)のプロバイオティクス製造プロセスを利用していると説明した。BBFは、コーデックスGHPs&HACCP(適正衛生規範および危害分析重要管理点)およびGILSP(優良工業製造規範)を含む国際基準に準拠するように設計されたパイロットスケールの微生物生産施設だ。

地元の技術とバイオ資源に基づくこのプロバイオティクス・サプリメントは、現代の消費者に対応するだけでなく、プロバイオティクスの輸入を減らし、タイの食品産業の競争力を強化することが期待されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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