2023年10月
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使用済みソーラーパネルからシリコン回収、リチウムイオン電池を製造 シンガポール«動画あり»

シンガポールの南洋理工大学(NTU)の科学者らが、使用済みソーラーパネルから高純度シリコンを回収してリチウムイオン電池を製造する効率的な方法を考案した。9月7日付け発表。

高純度シリコンは太陽電池の大部分を占めるが、通常、25年から30年で寿命を迎え廃棄される。太陽電池に使われているシリコンをアルミニウム、銅、銀、鉛、プラスチックなどの他の部品から分離するのは難しく、リサイクルシリコンには不純物や欠陥があるため、他のシリコン・ベースの技術には適さないとされていた。また、高純度シリコンを回収するための既存の方法は、エネルギー集約的で、毒性の高い化学薬品を使用しており、高価でもあるためリサイクル業者への普及が進んでいなかった。

今回、NTUの科学者らが開発した方法では、食品・飲料業界で一般的に使用されているリン酸を用いた抽出によりこれらの課題を克服している。従来の方法では、少なくとも強酸性の化学薬品と強アルカリの化学薬品の2種類を使用していたのに対し、この方法ではリン酸だけを使用するため効率的である。さらに従来の方法より高い回収率と純度が実証されている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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