シンガポールの南洋理工大学(NTU)は9月28日、フランスの造船会社であるナバルグループ(Naval Group)と、その子会社であるナバルグループ・ファーイースト(Naval Group Far East)社との間に、総額230万シンガポールドルとなる2つの研究契約が締結されたことを発表した。
契約が結ばれた研究の1つは、衝突回避のための航路計画を自動化する半自律航行システムの開発だ。もう1つは、人工知能(AI)を搭載したミッション計画ツールの開発に焦点を当てたもので、無人車両群が連動し、緊急事態に対応してリアルタイムで進路を変更できるようにするものだ。これらの技術は、船舶航行、捜索・救助任務、環境モニタリング、海軍作戦などの分野に応用される可能性がある。
このパートナーシップでは、2022年に設立されたNTUの先端ロボット技術革新センターの科学的専門知識と、ナバルグループの海軍工学、造船、海上防衛の革新的ソリューションにおける産業経験と豊かな実績を活用したものとなる。パートナーシップを通じて、NTUとナバルグループはそれぞれの専門性と卓越性を生かし、革新的な研究を進め、学術界と開示産業界の連携を促進する活気あるイノベーションエコシステムを構築することで、研究の実用化を目指している。
NTUのラム・クォック・イェン(Lam Kwok Yan)副学長(戦略・パートナーシップ担当)は、「NTUとナバルグループのパートナーシップは、本学の強みであるロボット工学とAIを活用したものであり、NTUが産業界のパートナーと協力し、先進的ソリューションを開発した新たな例となります」と述べた。
これに対し、ナバルグループ・ファーイースト社のマネージング・ディレクターであるルック・マルティネリ(Luc Martinelli)氏は「このパートナーシップは、シンガポールにおける我々の開発における新たな一歩です。NTUの一流の研究者、先進的なロボット技術革新センターと協力できることを光栄に思います」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部