フィリピン科学技術省(DOST)は、2023年のグローバル・イノベーション・インデックス(GII)においてフィリピンが3つ順位を上げ56位にランクインしたことについて見解を発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が9月28日に伝えた。
レナート・ソリダム科学技術相
(出典:PNA)
フィリピンのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、ランキング上昇の要因の1つとして技術移転への投資を挙げ、「技術移転の取り組みには、移転や採用、商業化が含まれます。私たちは、大学や新興企業におけるテクノロジー・ビジネス・インキュベーション・ハブを引き続き支援し、地方自治体と共にスマート・テクノロジーの導入を通じて、スマートで持続可能なコミュニティの開発を実施していきます」と述べた。
フィリピンは、インド、ベトナム、ウクライナ、モンゴル、モロッコ、チュニジア、ウズベキスタン、パキスタン、セネガルなどの発展レベルに対して期待以上のパフォーマンスを示した低中所得国グループの1つに位置している。2023年のフィリピンのランキングはビジネスの洗練度(38位)、知識と技術のアウトプット(46位)、市場の洗練度(55位)と最高位を記録している。一方で、人的資本と研究(88位)、インフラストラクチャー(86位)、制度(79位)のランキングは低いものとなった。
ソリダム氏は「DOSTの戦略的目標の1つは富の創造です。これは、技術移転や研究開発(R&D)の成果の商業化を強化することで、さまざまな企業、産業、農業、漁業、その他の部門の競争力と生産性を向上させ、より価値の高い製品やサービス、雇用機会を創出することに重点を置いています。フィリピン開発計画(2023-2028)に明示されているように、科学技術における知識の創出による生産性を強化し、イノベーションの開発、採用、利用、商業化を促進するエコシステムを強化していきます」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部