シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、大規模な清浄水製造のための安価な新しいタイプの膜ベースの水ろ過システムを開発した。10月3日付発表。開発は、シンガポールの水技術ベンチャー企業であるアテラ・ウォーター(Atera Waters)社とシンガポール工科大学(SIT)との協力。
(出典:NTU)
新しく開発したシステムは「クラリティ」と名付けられた効率的なナノ複合膜によって可能になったもので、一般的なポリマーを使用しており、先進国で使用されている高価な膜の数分の1のコストで作られている。また、従来の水処理プラントの半分の二酸化炭素(CO2)排出量しかないという特徴も持つ。
この膜は、ベトナムやインドネシアなど、汚染されつつある地下水の浄化に苦慮している多くの国で使用されている初歩的な砂フィルターシステムに置き換わることを目標としており、従来品と同程度のコストでよりきれいな水を提供することができる。アテラ・ウォーター社はすでにベトナムの3万人に水道水を供給できる大規模なシステムの建設を受注している。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部