シンガポールの最新研究により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン未接種者は、コロナに感染後、回復したほぼ1年後に心臓病の合併症のリスクが高まることが明らかになった。この研究はワクチン接種を受けた東南アジアの多民族集団におけるCOVID-19のリスクを検討した最初で最大の研究だ。10月9日付発表。研究成果は学術誌Clinical Infectious Diseases誌に掲載された。
(出典:NTU)
研究は、シンガポールの南洋理工大学(NTU)のリーコンチアン医科大学(LKCMedicine)、保健省、総合病院、国立感染症センターの研究者らによって行われた。
研究は、シンガポールに居住し、デルタ型のウイルスが優勢な期間であった2021年9月1日から11月31日の間にCOVID-19と診断された10万6,012人の検査と医療請求記録に基づくものだ。調査では、COVID-19から回復した患者の912人が、COVID-19の後遺症「Long COVID」(ロング・コビット)と一致する症状が残っていると回答していることが分かった。long COVIDには疲労、息切れ、記憶障害、心臓血管、脳血管血栓症などの心臓合併症の症状が含まれている。
研究ではCOVID-19陽性グループと、同期間に感染が判明していない170万人近くの地域住民のグループとの比較が行われた。両グループは平均300日間追跡され、long COVID症候群、特に心臓合併症を発症したかどうかが調査された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部