2023年11月
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2023年世界研究会議(GRC)アジア太平洋地域会議を共催 比とNZ政府

フィリピン科学技術省(DOST)は、ニュージーランドのビジネス・イノベーション・雇用省(MBIE)と共催で、2023年世界研究会議(GRC)アジア太平洋地域会議を開催したことを発表した。10月20日付。

(出典:DOST)

会議は、10月18日~10月20日まで、フィリピン・パサイ市のシェラトン・マニラ・ホテルにて行われ、アジア太平洋地域諸国から120名以上の代表者が参加した。「持続可能な研究」というトピックを中心に、意見交換が行われた。国際機関や世界各国の研究機関が、現在または今後新たに発生する地域の最重要課題に関する見解やアイデアを共有した。

フィリピンのレナート・ソリダム(Renato Solidum Jr.)科学技術相は、基調メッセージで「持続可能な研究は、健康、気候変動、社会的不平等、景観や生態系の劣化など、現代における最も差し迫ったグローバルな課題に取り組むための鍵となります」と語った。

取り組みの1つとして抗菌薬耐性(AMR)研究が紹介された。AMRの診断、監視、制御のための持続可能な研究開発体制を構築するためのイニシアチブに対して、DOSTとその評議会は、総額約4億3,500万ペソの資金で22の研究開発プロジェクトを支援しているという。代表的なものとして、「AMRと闘うためのワンヘルス・アプローチを通じた地域間ネットワーク」プログラム(1NetAMR)がある。

また、DOSTは循環型経済に関する研究、開発、イノベーションの取り組みを促進するために、環境技術・コンプライアンスセンター(Center for Environmental Technologies and Compliance)に資金提供し、環境技術におけるイノベーションの創発と、地元産業の環境基準遵守に対する支援をしている。

このほか会議では、マニラ湾流域の特定の都市における固形廃棄物管理(SWM)活動を説明・評価し、現在と将来のシナリオを考慮した統合的な固形廃棄物情報・技術管理システムを開発するための「プロジェクトIWASTO」や、気候変動への対応に特化したイニシアチブ、「フィリピンの産業としての農業を再活性化するためのスマートなアプローチ」(SARAI)プログラムが紹介された。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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