2023年11月
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薬局サービスシステムを開発、公衆衛生・疾病予防の支援へ6団体が連携 タイ

タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)によると、統合された薬局サービスシステムを開発するため、6つの組織のパートナーシップが確立された。10月24日付発表。

パートナーシップには、NSTDA、国民医療保障機構(NHSO)、タイ薬局協議会、バンコク都庁(BMA)、タイ健康促進財団(ThaiHealth)、タイコミュニティ薬局財団(CFT)の6団体が参加した。このパートナーシップは、健康増進を支援し、疾病の危険因子を軽減し、病院の過密状態を緩和し、患者照会を促進し、医療への公平なアクセスを可能にする効率的な医療サービスシステムを開発するという6団体の強いコミットメントを示している。

(出典:いずれもNSTDA)

タイ薬局協議会会長のキッティ・ピタクニティナン(Kitti Pitaknitinan)博士は、「パートナーシップの目的は、バンコク首都圏の健康増進と疾病予防を支援し、病院の過密状態を解消し、プライマリケア(薬局)から三次医療(病院)までの紹介を促進するために、サービスシステムを強化することです」と説明。国民のニーズに応える効率的な医療サービスシステムを構築することを最終的な目標として、薬局サービスに関連するデータ管理と接続を促進する技術が採用されるという。

NSTDA副総裁のアディソーン・トゥアントラノン(Adisorn Tuantranont)博士は、このイニシアチブにおいて、NSTDAは効率的な薬局サービス提供をサポートするICTシステムを開発し、医療への公平なアクセスに貢献することを強調。ThaiHealthのCEO補佐であるパイロジ・サオヌアム(Pairoj Saonuam)博士は、このサービスシステムは、あらゆるレベルのケアにおけるデータ接続と患者照会を容易にし、公衆衛生サービスを大幅に改善すると指摘した。

本サービスシステムは、喫煙や過度の飲酒に関連する病気の予防にも役立つという。毎年、約8万人のタイ人が、喫煙が原因で死亡しており、死亡者全体の18%を占めている。喫煙による経済損失は年間3,520億バーツに上る。この問題に対処するため、ThaiHealthは全国386の薬局の支持を集めた禁煙キャンペーンを開始した。薬局のネットワークは、サービスシステムと組み合わされ、人々の禁煙、飲酒、薬物乱用をサポートする上で重要な役割を果たす。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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