タイ国立科学技術開発庁(NSTDA)は、国連工業開発機関(UNIDO)のゲルト・ミュラー(Gerd Müller)事務局長をタイ・サイエンスパークにあるNSTDA本部に迎え、クリーンエネルギーに関するさまざまな共同プロジェクトについて紹介したことを発表した。10月24日付。
10月15日、ミュラー事務局長の訪問を、NSTDAのスキット・リムピジュムノン(Sukit Limpijumnong)事務局長らが歓迎した。
NSTDAとUNIDOは、地球環境ファシリティ(GEF)からの資金援助を受けながら、いくつかのイニシアチブにおいて協力関係を維持してきた。今回の会議では共同プロジェクトの進捗状況を確認し、バッテリースワップ、バイオテクノロジー、南南協力の分野における協力の可能性を探る機会となった。
ミュラー事務局長は、タイのラヨーン県における電気自動車(EV)の試験的導入、南南協力の優れたモデルとなるキャッサバからのバイオエタノール生産の促進、中小企業や新興企業向けのクリーンテック・プログラムの実施、ストックホルム条約に記載された有害化学物質のインベントリーの国家実施計画などのプロジェクトにおいて、タイの産業開発を推進するNSTDAの重要な役割を強調した。
訪問プログラムでは、NSTDA専務理事のジャネクリシュナ・カナタラナ(Janekrishna Kanatharana)博士によるNSTDAの概要説明、国立遺伝子工学バイオテクノロジーセンター(BIOTEC)副事務局長クアクーン・ピヤチョムクワン(Kuakoon Piyachomkwan)博士による「キャッサバからのエタノール生産のパイロットケース」、国立エネルギー技術センター(ENTEC)事務局長スミトラ・チャロジュロクン(Sumittra Charojrochkul)博士による「タイにおける電動モビリティの導入とライフサイクルソリューションの加速化」といった現在の共同プロジェクトに関するプレゼンテーションが行われた。また、スミトラ事務局長による二輪車用バッテリーの交換プロジェクト、国立電子コンピューター技術研究センター(NECTEC)事務局長チャイ・ウティワチャイ(Chai Wutiwiwatchai)博士による持続可能な製造センター(SMC)に関するプレゼンテーションも行われ、両者の協力体制がより強固なものとなった。
(出典:いずれもNSTDA)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部