2023年12月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2023年12月

EVの効率的充電へ、スピンオフのテック企業に1000万ドルの補助金 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)のディープテック部門からスピンオフしたアンペレサンド(Amperesand)社は、電気自動車(EV)の効率的な充電を可能にする技術を商業化するため、1000万ドルの補助金を獲得することになった。11月1日付発表。

アンペレサンド社のメンバーら
(出典:NTU)

アンペレサンド社は、NTUとシンガポール国立大学(NUS)の研究パイプラインからディープテックベンチャーの創出を加速させるため、テマセク主導のパイロットプログラムの恩恵を受ける。支援については、テマセクが開催したRIE産業デーにおいて、ヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相兼経済政策調整相により発表された。

アンペレサンド社は、NTUのエネルギー研究所(ERI@N)の研究者が開発した12以上の最先端技術の知的財産からなる固体変圧器(SSTs)技術を有する。これにより、送電網との間で電気エネルギーをよりスマートに変換・制御する方法を促進し、エネルギー網の管理方法と配電方法を革新する。

ERI@Nで未来のモビリティシステムと電力網のシニアプログラムディレクターを務めるアンシュマン・トリパティ(Anshuman Tripathi)博士は、「従来は交流から直流、またはその逆の変換にはその機能を担う装置が必要だったが、この方法では1台の機械でシームレスに調整できる」とその優位性を説明。同社は今後、EVの数メガワット急速充電様に拡張可能なモジュール式SSTを世界で初めて商業化することを目指している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る