タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)は、タイの化粧品業界のイノベーション能力を強化するために、タイ化粧品クラスター(TCOS)と提携し、FoodSERPの導入を進める合意調印を締結した。11月6日付発表。

調印式は、タイの高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)で10月31日に行われた。NSTDAのスキット・リムピジュムノン(Sukit Limpijumnong)総裁は、FoodSERPが食品と機能性成分のワンストップ・サービス・プラットフォームであることについて紹介した。TCOSとの協力関係は、グローバルな舞台におけるタイの化粧品メーカーの競争力強化につながり、これは政府のバイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデルであるBCGモデルと迅速な経済回復に不可欠なコンセプトであるという。

NSTDAのカラヤ・ウドムヴィティッド(Kalaya Udomvitid)副総裁は、「今回の提携は、NSTDA FoodSERPの知識と専門性を活用し、機能性成分の分野におけるイノベーション能力を強化することを目的としています。提供されるサービスには、製品やプロセスのプロトタイプ開発、パイロット生産、生産プロセスのスケーリング、品質・安全性試験、臨床試験、市場試験、製品登録などが含まれ、この包括的なサービスは、企業の競争力を高めるだけでなく、収益を増加させ、タイの化粧品産業の経済発展に貢献するでしょう」と取り組みの意義を強調した。

TCOSのプレジデントであるルクスパ・プラパウィット(Lucksupa Prapawit)氏は、「タイの化粧品産業には大きな可能性と明るい未来がある一方で、優れた技術とマーケティング戦略を持つ海外の化粧品メーカーとの競争、多様な基準や要件への対応、環境に優しく健康的な製品を求める消費者の嗜好への対応など、大きな課題に直面しています。人工知能(AI)やビッグデータ分析などの先端技術を取り入れ、マーケットインテリジェンスを提供し、バイオテクノロジーやナノテクノロジーを活用して斬新でユニークな製品を革新することが、この業界を持続可能な未来へと導く重要な戦略となるでしょう」と話した。

調印式後、「持続可能な健康と美容のためのFoodSERP」に関するセミナーが開催され、業界やNSTDAからの講演者が参加した。

(出典：いずれもNSTDA)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部