シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、デュラパワーテクノロジーシンガポール(Durapower Technology Singapore)社と共同で、リチウムイオン電池の寿命と安全性を大幅に向上させるクラウドベースの技術を開発した。11月8日付発表。
研究チームのメンバーら
(出典:NTU)
再生可能エネルギーや電気自動車(EV)への世界的なシフトが加速する中、効率的で安全かつ持続可能な電池の需要が高まっている。同様に、クラウド・コンピューティングの台頭により、データセンター用のエネルギー貯蔵システムの需要も高まっている。IoT(モノのインターネット)と人工知能(AI)を搭載したこの特許出願中のイノベーションは、特にシンガポールのような高温多湿の気候において、潜在的な火災の危険性など、リチウムイオン電池に関連するリスクを低減するのに役立つものだ。
この新技術は、高精度でリアルタイムのモニタリングが可能で、バッテリーの状態を最長5年間予測することができる。さらにリチウムイオンバッテリーの寿命を50%以上延ばし、二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に削減することもできるという。
この研究プロジェクトは、研究・イノベーション・企業(RIE)2020計画の下、エネルギー市場監督庁(EMA)とシンガポール国立研究財団(NRF)の支援を受けている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部