タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)は、傘下の国立遺伝子生命工学研究センター(BIOTEC-NSTDA)が、ASEAN-ASSET 2023を開催したこと発表した。11月20日付。タイのタンマサート大学、タイの食料安全保障国際共同研究センター(IJC-FOODSEC)、北アイルランドのクイーンズ大学ベルファスト校との共催。
ASSETはフードインテグリティに特化した国際会議で、クイーンズ大学ベルファスト校のグローバル食料安全保障研究所(IGFS)によって始められ、ヨーロッパで開催されてきた。2023年にタイにIJC-FOODSECが設立されたことにより、この会議が初めてアジアに導入されることとなった。ASEAN-ASSET 2023は11月14~15日にかけて開催され、「グローバルプロテインインテグリティ」をテーマに、食料安全保障に関する知識交換と議論が行われた。ASEAN-ASSET 2023には400人以上が参加し、36件の研究発表が実施された。
クイーンズ大学ベルファスト校のIGFSのクリストファー・エリオット(Christopher Elliott)教授は、「ASEAN-ASSET2023は世界の食料安全保障に関する意見交換、議論、研究発表の場を提供します。これには、代替タンパク質の探索、将来の食料生産を支援するための先端科学技術の応用、さまざまな供給源からの将来の安全性の確保が含まれます」と述べた。
タイの高等教育・科学・研究・イノベーション省(MHESI)のペルムスク・スッチャフィワット(Permsuk Sutchaphiwat)事務次官は開会の挨拶で、「タイ政府は2008年に国家食料委員会を設立し、国の食料安全保障を推進しています。タイにおける食品管理の戦略的枠組みは、2020年に導入され、食品の保障、安全性、品質、教育の強化に焦点を当てています。また、2021年に宣言されたタイのBCGエコノミー(バイオ・循環型・グリーンを重視する新経済モデル)は農業変革の主要な推進力であり、タンパク質の生産に貢献し、食品ロスや廃棄物を削減するものです」と語った。その他、ASEAN-ASSET 2023にはNSTDAの事務局長、BIOTECのエグゼクティブ・ディレクター、タンマサート大学学長らが参加した。
(出典:いずれもNSTDA)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部