シンガポールで「Singapore Conference on AI for the Global Good」が12月4日に開催され、同国のローレンス・ウォン(Lawrence Wong)副首相兼財務相が講演。ウォン氏は人工知能(AI)技術に関する新たな国家戦略の一環で、シンガポール国内での訓練と海外からの人材採用によりAI専門家を1万5000人へと現在の3倍に増やすことを目指すと表明した。
ウォン氏はこの中で、シンガポールが世界で最初に国家AI戦略を公表した国の1つであることに触れながら、「小さな島国であるシンガポールでは天然資源が限られていますが、高度な技術力と、高度に接続された社会、そして物事を実現できる信頼性のあるエコシステムを有しています。私たちはAI研究と応用に関して積極的に取り組み、先進製造業、金融サービス、医療、教育、公共サービスなどの領域にAIを導入し、シンガポールと他者に利益をもたらすことを目指します」と話し、研究者、産業界、その他機関へ協力を呼び掛けた。
シンガポールではいくつかのAI戦略を計画しており、その1つが高いAIスキルをもった人材育成だ。次の3つのカテゴリーに焦点を当てている。
また、AI産業の構築や、AI研究への投資などもAI戦略の1つであり、実験と革新を奨励しながら、AIのリスクに柔軟に対応できる信頼性のある環境を整えることで、実用的なバランスを見いだすことこそがシンガポールのアプローチであることをウォン氏は説明した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部