シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、ナノフィルムテクノロジーズ・インターナショナル(Nanofilm Technologies International)社と共同で、家電や自動車、バイオメディカルやクリーンエネルギー分野において次世代のナノテクノロジーソリューションを開発するNTI-NTUコーボレートラボを開設した。

(出典：NTU)

6,600万シンガポールドルを投じて設立されたNTI-NTUコーボレートラボの研究者らは、次の4つの分野で専門知識を活用し、ノウハウの向上を図る。

• コスト効率に優れ、保護膜や機能膜を高速かつ大面積で成膜するという課題を克服するコーティング装置技術
• 磨耗や腐食から表面を保護するコーティング、反射防止コーティング、指紋防止コーティング、テフロンの代替品など、機能的かつ装飾的な用途のコーティングを形成する先端材料
• 拡張現実や仮想現実装置に使用できるレンズなど、ナノスケールの光学・感覚部品の製造を可能にするナノ加工技術
• 安価で持続可能な水素エネルギーのための燃料電池技術に焦点を当てた水素エネルギー

ナノフィルムテクノロジーズ・インターナショナル社は1999年、NTUの電気電子工学部の元准教授であるシー・シュー(Shi Xu)博士によって設立され、NTUスマートキャンパスで行われた研究から独立した。NTUの研究テクノプラザに新しく開設されたコーポレートラボは同社の「ホームカミング」を意味している。

NTI-NTUコーポレートラボは2023年11月28日、シンガポールのヘン・スイキャット(Heng Swee Keat)副首相兼経済政策調整相により正式に発足した。

(2023年11月28日付発表)

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部