シンガポールの南洋理工大学(NTU)は、NTUからスピンオフしたスタートアップのエタボルト(EtaVolt)社が、太陽光の何倍もの強度で古いソーラーパネルに通電できる革新的な装置を使い、ソーラーパネルを迅速かつ安価に若返らせることができる商業的ソリューションを提供することを発表した。
シンガポールのような熱帯地域では、強い日差し、熱、湿度、頻繁な雷雨にさらされ続けるため、ソーラーパネルは急速に劣化する。エタボルト社の最先端技術を用いると、これらの光や熱による性能劣化から新しいソーラーパネルも古いソーラーパネルも保護することが可能だ。この技術の基礎となる科学は、NTUのエネルギー研究所(ERI@N)で開発され、商業化とスケールアップのために同社に独占的にライセンスされた。
同社の技術は太陽電池業界の主要なパートナーとのプロジェクトで成功を収め、ビルの屋上など、シンガポール全土に設置されたさまざまなソーラーパネルで実証されている。同社は、ソーラーパネルの寿命を伸ばす商業的ソリューションを提供する世界初の企業となる。
(2023年12月18日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部