(出典:NTU)
シンガポールの南洋理工大学(NTU)傘下のウィー・キム・ウィー・スクール・オブ・コミュニケーション・アンド・インフォメーション(WKWSCI)の研究者が、配偶者と一緒に運動する高齢者は、配偶者のいない高齢者よりも身体活動レベルが低いことを明らかにした。1月17日付発表。研究成果は、学術誌International Journal of Human-Computer Interactionに掲載された。
研究者らは、シンガポールの54~72歳の240人を対象にした研究を行った。夫婦で運動するグループと配偶者なし(個人で)運動するグループに分け、さらにそれぞれのグループに対して被験者が装着したフィットネストラッカーでフィードバックを受ける組と受けない組の計4グループに分けた。結果、一緒に運動した高齢夫婦の方が1日の歩数が少ないことが分かった。さらに、フィードバックを受けた人は、そうでない人に比べてより活動的であることも明らかになった。
多くの社会が高齢化に直面する中、運動などによる健康的な加齢の促進はますます重要になっている。NTUの研究結果は、高齢者が個々に運動することを奨励することが、より効果的である可能性を示唆していると研究者らは述べた。
NTU WKWSCIの博士課程の学生であるサファイア・リン(Sapphire Lin)博士が研究を主導し、研究チームには、WKWSCIのソニー・ローゼンタール(Sonny Rosenthal)准教授とNTUを定年退職したリッチ・リン(Rich Ling)教授も参加している。
アクティブ・エイジングの研究は、NTUの5ヵ年戦略計画「NTU2025」の一環である「健康と社会」に関するNTUの研究重点に沿ったものである。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部