2024年03月
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乳がんの早期発見へ熱分布の違いを応用、非侵襲的なプログラム開発 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究者らは、乳がんが健康な乳房組織とは異なる熱分布を示すという知見を利用し、がんの可能性を特定するコンピュータープログラムを開発した。2月5日付発表。

(出典:NTU)

NTUの機械・航空宇宙工学部(MAE)のウン・イン・キー(Ng Yin Kwee)准教授率いる研究者グループはシンガポールのタン・トク・セン病院、シンガポール総合病院、カザフスタンのナザルバエフ大学の医師や研究者と共同で、人工知能(AI)と熱画像技術を組み合わせたコンピュータープログラム物理情報ニューラルネットワーク(PINN)を開発した。

PINNは乳房の熱赤外線画像を撮影し、組織内の熱パターンを分析することで5分以内にがんの可能性を示すことができる。研究者らはPINNをがんのある乳房の赤外線画像数百枚でテストしたところ、がんの存在を91%の精度で特定できることが分かった。

乳がんの一般的な検査方法としてマンモグラフィは、費用や入手可能性の問題からアクセスできる人が限られている。NTUが開発した機械学習によるツールは補完的な機械学習によるツールは、補完的で非侵襲的かつ苦痛のない代替手段として役立つ可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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