フィリピン科学技術省(DOST)傘下のフィリピン繊維研究所(PTRI)が、地元の繊維産業を活性化させるためのイニシアチブである地域繊維イノベーション・エコシステム活性化促進プログラム(FRONTIER)を開始した。2月5日付発表。
(出典:DOST)
FRONTIERの立ち上げは、2024年フィリピン・トロピカル・ファブリック(PTF)月間の一環で、1月30日と31日に開催された全国繊維大会TELAConの中で、DOST-PTRI所長のジュリアスL・レアノ(Julius L. Leano)氏により発表された。このプログラムでは、繊維と糸のハブを戦略的に設立し、天然染料と織物のイノベーションに特化した地域センターを併設することで、地域の繊維イノベーションを促進し、地域における研究所の取り組みを強化することを目的としている。
FRONTIERプログラムはDOSTの一般歳出法の下、2024年の初年度予算が計上され、2024年にDOST-PTRIがカタンドアネス州、レイテ島、ネグロス島でそれぞれ1つずつ、天然繊維イノベーション・ハブを立ち上げる予定であることが明らかにされた。また、フィリピン農水産業天然資源研究開発審議会(DOST-PCAARRD)GIAの資金により、アブラ州ラガンギラン、パンガシナン州アラミノス、ブキドノン州マラマグに竹繊維イノベーション・ハブを立ち上げる予定だ。
さらに、地域手織機イノベーション・センターは、フィリピン全土の6カ所で間もなく立ち上がる。その他、カマリネス・ノルテ州、ネグロス島タリサイ市、カビテ州マラゴンドンに天然染料ハブを建設予定だ。
レアノ氏は「FRONTIERの取り組みは、雇用の創出、価値の付加、そして最も重要な地域の経済活動全体の活力向上という、私たちが望んでいることを表現したものです。コラボレーションの機会と施設へのアクセスを提供するだけでなくイノベーションの機会を民主化することができます。これによりマニラ首都圏の人々だけでなく、フィリピン独自の線維を定義する素材を供給する地域の人々にも力を与えることができます」と語っている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部