シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究から、親からうそをつかれた子どもは、その後、親にうそをつきやすくなることが明らかになった。2月7日付発表。研究成果は、科学誌Journal of Experimental Child Psychologyに掲載された。この研究により、子育て時のうそと子どもの反応の関係を理解する必要性が浮き彫りになった。
(出典:NTU)
行儀の悪い子どもに対し、親がつくうそに、「行儀よくしないと警察を呼ぶよ!」というものがある。このような道具的なうそ(行動の変化を促すために親がつくうその一種)は、行動の遵守につながるかもしれないが、このようなうそをつかれた子どもは、親にうそをつきやすくなるという。
NTU社会科学研究科心理学部門のセトー・ペイペイ(Setoh Peipei)准教授率いる研究チームは、幼少期における親のさまざまなタイプのうそを子どもがどのように処理するか調査を行った。シンガポールの564組の親子を対象とした研究により、研究チームは、白いうそ(うその一種で、子どもに肯定的な感情を植え付けるために、真実でないにもかかわらず「よくやった!」などと言うこと)に触れることで、子どもも親にうそをつきやすくなる可能性があることを発見した。しかし、道具的なうそとは対照的に、この効果は子どもがうそをつかれたと知っている場合にのみ生じるという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部