2024年03月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2024年03月

プラスチックを分解する「イモムシの腸」研究 シンガポール

シンガポールの南洋理工大学(NTU)の研究者らが、イモムシにプラスチックを与え、その腸内に生息する微生物を培養することで、プラスチックの生分解を促進する新しい方法を実証した。2月8日付発表。

これまでの研究で、ペットフードとしてよく売られているダークリングビートルの幼虫で、その栄養価の高さから「スーパーワーム」としても知られているZophobas atratusは、プラスチックを食べても生存できることが分かっている。この幼虫は腸内に一般的な種類のプラスチックを分解するバクテリアを含んでいるが、摂食速度や幼虫の維持に時間がかかるため、プラスチック処理への利用は現実的ではなかった。

NTUの土木環境工学部(CEE)とシンガポール環境生命科学工学センター(SCELSE)の研究者らは、この幼虫の腸内細菌を分離し、大規模な幼虫の繁殖を必要とすることなく、その腸内細菌を利用してこれらの課題を克服する方法を実証した。世界的なプラスチック汚染問題に取り組むための自然から着想を得た手法に期待が集まっている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る