2024年03月
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景気の先行き不透明感でも卒業生の就職が好調、初任給も上昇 シンガポール国立大学

シンガポール国立大学(NUS)は2月22日、他大学と共同で実施した卒業生の共同雇用調査(JAUGES)により、NUS卒業生が2023年度も高い就職率と初任給を獲得していることが判明したと発表した。

NUSの卒業生たち
(提供:NUS)

2023年度のNUS新卒者のうち、90.5%が最終試験終了後6カ月以内に就職した。これは2022年調査の93.9%から若干の低下である。またこれと同じ期間に、NUS新卒者の85.4%がフルタイムの正規職員を確保し、3.5%は内定を受諾し勤務開始を待っている状態か、積極的にベンチャー企業を立ち上げた。なお、歯学部と看護学部の新卒者は、それぞれ100%と97.9%の就職率を記録した。

JAUGESの調査によると、2023年にフルタイムの正規職員として雇用されたNUS新卒者の平均給与は1月あたり4,875シンガポールドルで、2022年の4,808シンガポールドルからわずかに上昇した。 正規雇用の新卒者の月給中央値についても2022年の4,300シンガポールドルから2023年は4,400シンガポールドルに上昇した。

芸術・社会科学、ビジネス、計算科学、デザイン・工学、法学、看護学、科学、音楽の25コースの卒業生は、前年度の卒業生より高い初任給を得るか、同程度の初任給を維持した。特に、芸術・社会科学、法学、理学の卒業生は、初任給の中央値が過去3年間連続して上昇した。

NUSのアーロン・テアン(Aaron Thean)副学長(学務担当)は、「今日の目まぐるしいビジネス環境では、知識やスキルに加え、レジリエンスや適応力が求められています。NUSは、学際的で体験的な教育を通じて、卒業生にその特性を身に付けてもらえるよう努めています。2023年のJAUGESの結果は、私たちが正しい方向に向かっていることを示しています。私たちは、国内外の不安定な雇用市場の中にあって、卒業生が力強い成果を上げ、競争力ある賃金を獲得していることを誇りに思っています」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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