2024年04月
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ケソン州・アラバット島にミニサイエンスセンターを建設 フィリピン

フィリピン科学技術省(DOST)はケソン州のアラバット島に、先住民族(IP)コミュニティの一員である地元の若者の学習を強化し、科学技術(S&T)の仕事への就職を奨励することを目的としたミニサイエンスセンターを建設したことを発表した。国営フィリピン通信社(PNA)が2月28日に伝えた。

ミニサイエンスセンターの目的はアラバット島のペレス、ケソン、アラバトの3つの市町村の青少年の科学的好奇心を満足させることだ。センターには、因果関係を強調したインタラクティブな展示があり、青少年が実験に参加することで科学的概念を学ぶことができる。例えば展示物の1つである「グラビティ・ミラー」は、鏡を使って人が宙に浮いているように見える展示となっている。

展示物の目玉、グラビティ・ミラー
(Photo courtesy of DOST、出典:PNA)

DOST-ケソンの科学研究アナリストであるアルドウィン・ロイエナ(Aldwin Royena)氏は「 DOSTの科学技術によるコミュニティ能力強化(CEST)プログラムが、シーザー・C・タン・メモリアル国立高校に科学センターを設立し、科学技術に関する展示物を設置した」と語った。ミニサイエンスセンターのプロジェクトにはDOSTリージョンIV-A(カラバルソン)、フィリピン科学技術財団(PFST)、フィリピン教育省(DepEd)、ケソン地方自治体(LGU)、ケソン州政府が協力し、4月から本格的に稼働する。

アラバット島は面積192平方キロメートルで、人口約44,000人の島で、イナグタ・アラバットと呼ばれる先住民族の言語が話されている。この言語は国連教育科学文化機関(ユネスコ)が30年以内に消滅する可能性がある「絶滅の危機に瀕した言語」であると宣言している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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