2024年04月
トップ  > ASEAN科学技術ニュース> 2024年04月

超極細半導体ファイバー、布をスマートウェアラブル電子機器に シンガポール«動画あり»

シンガポールの南洋理工大学(NTU)は3月14日、NTUの科学者たちが超極細半導体ファイバーの開発に成功したと発表した。

この超極細ファイバーを織り込むことで、布をスマートウェアラブル電子機器に変えることができる。安定して機能する半導体繊維を作るには、柔軟性で欠陥がなく、安定した信号伝送が重要だ。既存の製造方法では圧力と不安定性により、半導体コアにクラックや変形が生じ、正確に機能する半導体ファイバーの開発は難しかった。

NTUの科学者たちはモデリングとシミュレーションを重ね、製造プロセス中の圧力と不安定性発生のメカニズムを解明し、厳密な材料選択と特定の製造ステップを踏むことにより、この課題が克服できることを発見した。彼らは新たな機械を開発し、市場規模の拡大を可能にする長さ100メートルにわたる無傷な超極細ファイバーの製造に成功した。さらに、このファイバーは既存の方法で布地に織り込むことができる点が重要である。

研究チームは、携帯電話のアプリと連動して目の不自由な人の安全な道路横断をサポートするスマートビーニー帽、イヤホンを介して情報を受発信できるシャツ、運動中の心拍数測定もできる、柔軟でセンサー機能を備えたストラップのついたスマートウォッチなど、ファイバーの高品質と高機能性を示すプロトタイプを開発した。研究チームは、このファイバーは費用対効果やスケーラビリティが高いと同時に、優れた電気的および光電子的特性を提供できることから、長さと高耐久性を備えた半導体ファイバーの開発に重要な突破口を開いたと考えている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る