インドネシア政府は3月22日、河川の汚染や消失といった現象に危機感を抱き、さまざまな活動に取り組んでいることを報告した。
インドネシア統計局(2020年)の報告によると、国内にある7万本の河川のうち、46%が深刻な汚染を受けている。汚染された河川は、特に住宅地や都市部に多い。生活廃棄物、工業、農業、畜産、漁業など、水質問題を引き起こす要因は複数あるが、中でも生活廃棄物が最大の原因となっている。
2021年発行のグローバル・ウォーターズ・レポート(Global Waters report)には、生活廃棄物による河川の水質低下は、不十分な衛生システムと水域への継続的な廃棄物の投棄によって引き起こされていると報告されている。
このような河川の汚染や消滅といった現象は、世界的に発生している。中国では、数千の河川が消滅したと報告されており、同様の現象は、ペルー、バングラデシュ、フランス、米国のコロラド州でも起きている。3年前に報告された世界的な調査では、河川の劣化により、世界の河川のおよそ51~60%は、1年に少なくとも1日は流れが止まる日があることが分かっている。
インドネシアの政府と社会は、河川の汚染や消失といった現象に危機感を抱き、さまざまな活動に取り組んでいる。2014年にはインドネシア河川再生運動(IRRM)が始まり、2015年からはインドネシア河川会議が毎年開催されている。
機能を失った不健全な河川を修復し、流域環境の保全を強化するために、河川の再生を行う必要がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部