シンガポール国立大学(NUS)は3月30日、クイーンズタウン健康地区で新しく始まる高齢者向け非営利プロジェクトであるIbashoが、非営利のコミュニティケアサービスを運営するFaithActsが新設したアクティブ・エイジング・センター(ACC)と提携し、高齢者が地域社会の変革に主導的な役割を果たせるよう支援することを発表した。
シンガポールは世界で最も高齢化が進んだ国の1つとして、高齢者への年齢差別や孤独感の増加の問題に取り組んでいる。ある研究によると、孤独は心身の健康に悪影響を及ぼし、慢性疾患の一因となり、生活の質を低下させるという。
IbashoとFaithActsパートナーシップは、高齢者が活動を主導し、コミュニティづくりに参加できるようにすることを目的とし、クィーンズタウン健康地区の支援を受けて実施される。プロジェクトを行うFaithActs x Ibashoマーガレットドライブセンターは、クィーンズタウン健康地区を統括する上級国務大臣であるタン・キアット・ハウ(Tan Kiat How)通信・情報担当兼国家開発担当によって開設された。
センターは、高齢者が互いに助け合い、地域社会に良い影響を与えることができる場所を作るために、Ibashoの8つの原則を取り入れて運営される予定だ。
Ibashoの創設者兼ディレクターであり、NUSヨンルーリン医学部とNUSデザイン工科カレッジの清田英巳(Kiyota Emi)准教授は、「すべての人は、年齢を重ねるとともに居場所を必要としています。このIbashoプロジェクトは、シンガポールでコミュニティ主導の交流を実施する際の促進要因や、必要とされるさまざまな適応策を理解するのに役立ちます。私たちは、参加者のソーシャルキャピタルやソーシャルネットワーク、孤独感のレベルに対するプロジェクトの影響を評価することを目指しています」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部