フィリピンのカビテ州にあるカルモナ市政府は、フィリピン科学技術省(DOST)や国際的なパートナーの支援を活用してスマートシティ化を進めている。国営フィリピン通信社(PNA)が4月24日に伝えた。
カルモナ研修センターで開催されたスマートシティワークショップ
(Photo courtesy of DOST-Calabarzon)
(出典:PNA)
カルモナ市政府は、DOSTが進める「イノベーション・科学技術による地域技術基盤開発加速プログラム(iSTART)」に関する合意覚書(MoA)を交わしている。DOSTのカラバルソン地域ディレクターであるエメリタ・バグジット(Emelita Bagsit)氏は、「このMoAは、カルモナ市がDOSTに対して、スマートシティ化に関連する技術移転とその訓練の提供を求めるものです」と述べた。
また、非営利組織であるスマートシティ・ネットワーク(SCN)は、DOSTのカラバルソン事務所やカルモナ市政府と共同で、スマートシティ化に関するワークショップをカルモナ研修センターで開催した。SCNは、戦略立案、統合指令センター、循環型経済、スマートモビリティ(交通分野)、サイバーセキュリティ、スマートロック、デジタルツイン、拡張現実・仮想現実、教育、ヘルスケア、食料安全保障、スタートアップインキュベーションなど、幅広いテーマに精通した専門家を会員とする個人会員制組織である。
ワークショップの進行は、SCN議長でASEANスマートシティ評議会のエグゼクティブディレクターであるコック・チン・テイ(Kok Chin Tay)博士と、L&Tテクノロジーサービス(L&T Technology Services,)社のチーフ・ビジネス・オフィサーであるピユーシュ・シンハ(Piyush Sinha)博士が務めた。シンハ博士はスピーチの中で、「群島国であることは、特に物流において課題でしたが、技術の進歩により接続性を上げることで、島々の基本的なデータを共有することは、オープンデータプラットフォームを構築する上で助けになります」と述べた。さらに、「接続速度は遅いですが自治体は先住民族のためにデジタルリテラシープログラムを提供することができます」と加えた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部