シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は、オンラインの安全性を向上させるために、オンライン安全先進技術センター(CATOS)を発足した。シンガポールの政府系情報サイトGovInsiderが5月16日に報じた。
A*STARは、シンガポールの通信情報省(MCI)およびシンガポール国立研究財団から5年間で5000万シンガポールドル(3700万米ドル)の支援を受けて、CATOSがオンライン上の危険から人々を守るための技術を開発することを目指す。CATOSは、政府、産業、学界、市民社会のさまざまなグループと協力し、人材育成、研究提案、コミュニティ参画、新技術向けの仮想実験環境を重点して取り組む予定である。
人工知能(AI)は、オンライン上で悪質な行為者が誤情報や偽情報、詐欺などを広めるために利用される一方、それらと戦うための有力な道具としても活用できる。AIが引き起こす危険に対する懸念が高まる中、ジョセフィン・テオ(Josephine Teo)通信情報相は、5月15日の発表会で、「CATOSは、既存の規制やデジタルリテラシーの向上に加え、オンライン上の脅威に対抗するための有力な武器となるでしょう」と述べた。
CATOSセンター長のヤン・インピン(Yang Yinping)博士は、発表会で、CATOSの主要な活動内容として、脅威に迅速に対応するための高度な技術研究、研究成果を実際の解決策に変えるシステムエンジニアリング、政府と民間が簡単に利用できるユーザーアプリケーションの開発を紹介した。
現在の取り組みは、個人データ保護法やサイバーセキュリティ法などの法律から、情報通信メディア開発庁(IMDA)主催の「生活のためのデジタルスキル(Digital Skills for Life)」運動まで多岐に渡る。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部