フィリピン科学技術省(DOST)は5月27日、日本の国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)とフィリピンのムンティンルパ市アラバンで、両国が経験している水の安全保障の課題に特に重点をおいた国家的な関心事に取り組むための会合を行った。
(出典:DOST)
会合では、水の安全保障に関するワークショップが開催され、両国の専門家が一堂に介し、研究や科学技術イニシアチブを通じて水の安全保障を推進するための見識や経験を交換した。ワークショップ初日は6名のフィリピン人講演者と6名の日本人講演者が参加し、プレナリーセッションと分科会が行われた。2日目は、フィリピンのタギッグ市にあるDOSTビクタンの3つの施設を見学し、研究者間の協力と知識の共有を深めた。
レナート・U・ソリダム(Renato U. Solidum Jr.) 科学技術相は、4月22日にパリで開催された日・ASEAN(東南アジア諸国連合)ハイレベル円卓会議で言及しフィリピンにとって最優先事項であると強調したこのプロジェクトへの支持を表明している。また、水の安全保障の課題に取り組む上で、DOSTと日本のパートナーシップの重要性を強調している。
DOSTのリア・J・ブエンディア(Leah J. Buendia)研究開発次官は「日本のような国々と研究開発のためのパートナーシップを結ぶことで、国のために技術革新に投資するという私たちのコミットメントを強化します。このパートナーシップは、重要なインフラシステムの安全確保、地域資源の効率的な管理、水の安全保障に関する懸念への対応など、先進的な取り組みを後押しするものです」と述べた。
DOSTと日本の協力関係は、ASEANにおける日本からの新たな基金である「日ASEAN科学技術・イノベーション協働連携事業(NEXUS)」によって強化されている。ソリダム大臣はDOSTの全面的な支援とNEXUSからの資金提供により、今回のワークショップを通じて開始された協力プロジェクトが実を結ぶことに自信を示した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部